あなたは僕のはじまりで、あなたは僕の終わり
誕生日が近づいて寒くなってくる頃、ふいにこの歌のことを思い出すことがある。サブカルクソ少女だったわたしは、高校の頃から渋谷系の音楽にめちゃくちゃハマっていて、みんなが聞いてたゆずやゴイステなんて超どうでもいいと思っていた。大学生になって、少ない友達のひとりが、うちゴイステ好きやねん、とCDを貸してくれて、聞いてはみたけどやっぱ全然好みじゃなくて、青臭いなぁと思うだけだったんだけど、でもこの歌だけは、この歌だけは、めちゃくちゃいいじゃん…って思った。柿の実が赤くなっているのを見て、ああ…と思う日が、今のわたしの日常にまだあるんだよ。
誕生日、季節がらもこもこのルームソックスみたいのを貰うことがとても多くて、かさばるしほんとにめちゃくちゃたくさん持ってるので、今年はとにかく入浴剤がほしいなと思っている。みんなーー!!入浴剤だよーーー!!!
しりとり
こんなふうにしりとりをしたいだけなのに、人生ちっともうまくいかない。
真面目な好意はかわすのが難しい。ふるのもふられるのもめちゃくちゃ疲れるから、恋なんて…と思うのに、恋はこの世ですごく崇められているし、なのにみんなごく自然に簡単そうに恋をやっていて、恋わからない、わたしだけちがう世界のひとみたい、と思う。
午後から紅葉の様子を見にひとりで山へ行ってきた。恋やひとの気持ちみたいな目に見えずわたしの手におえないおばけより、一目できれいだとわかる山の絶対さのほうが、今のわたしには大事なような気がした。山は10度を切っていた。大根と山芋の漬物を買って、コーヒーを飲んで、フリッパーズ・ギターをききながら帰った。
もう二度と戻らない僅かな時を
YUIMETAL脱退。ゆいちゃんのコメントを読んで、彼女のアイドルに捧げた青春のこと、人生のことを思って、感慨にふけっている。本人コメントからする正直な感じにも好感が持てる。
ゆいちゃんもあちゃんの、この本当にお人形みたいな感じ、いつみてもやっぱりかわいいね。
可愛い女の子が好きだし、歌って踊ってる姿かわいい、頑張ってる姿かわいい、輝く一瞬がすてき、と思うけど、そうやって重ねて作られて乖離していく偶像から、本人がふっと離れて(年齢的にも)ひとりの女になるときというのに、ものすごいドラマを感じて、そこまで含めて、アイドルって……現在進行系の熱いドキュメンタリー…人生……人生の輝く一瞬を分け与えてくれてありがとうね……ひたすら尊いね………ととにかく感動してしまう。美しい彼女たち、みんな幸せでいてほしい。
夜
ストーブの灯油が切れるにおい、冬の予感
ソファーで眠ってしまって、日付がかわってから、ぽかぽかの状態で目を覚ます。起き上がれないまま、不完全燃焼のにおいの中で、ぼーっと天井の照明を見上げている。単調な白い光にひときわ光る瞬間があるのに気づく。もうすぐ蛍光灯が切れるんだろう。音楽にならないとき。観葉植物の葉っぱの影。犬の写真。花。わたしの生活は満ち足りている。小さくループするくだらない幸せ。それがどうして時に悲しくなるんだろう。
身体がおいてきぼりだからこうなるのかな。有無を言わさず抱いてくれたら、考える隙間もないくらいに抱いてくれたら、でもその頃も幸せじゃなかったなって、シャツの胸からするお洗濯のいいにおいを思い出している。あたらしい彼からはきっとしないにおい。いいにおいにさせるのが、あたらしいわたしの役目になるのか。眠っている間にきていたライン、返事は明日の朝にする。気だるい。足りない。なにかすこし悲しい。恋のことを考えると音楽が鳴り始めて、頭の中がごちゃごちゃしてくる。
完全に起きてしまった。また眠る。
なるほどザ・ワールド
彼の何がいけないかと考えると、何もいけないことはないと思うけど、じゃあ彼に何が足りないのと考えると、それは……なにもかも…、と思ってしまう。2度目の約束を取り付けるまでの野暮ったすぎるやりとりや、あの日履いていたスニーカーのことを、この先ことあるごとに何度も思い出すんだろうと思うと、本当にこれでいいんだろうかという気さえしてくる。明日会えば、彼はきっとわたしを好きになる。もうなってるかもしれない。わたしもそうなりたいんだよ、なれるのか!?一体どうなってしまうのか!!
土曜の仕事終わりに、「土曜日も仕事お疲れ様。職員旅行でしたね。気をつけて、楽しんで来てください」と連絡をくれた。めちゃくちゃ気を使って送ってきたんだろうなって思った。嬉しいよ、けど、わたしはエスパーだからその躊躇いやカッコのつかなさや緊張も全部わかってしまって、そしたらもう大丈夫だよって言ってあげなきゃいけなくなるじゃん、何につけてもいつもその調子で、わたしはそれでいいの?って、思ったりして…
めちゃくちゃ無難なデートプランを作って私が誘うと思う、来週の土曜。これは予言。
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ここまで下書き
おかしいくらい予言のとおりになりました。土曜じゃなくて日曜だったけど。エスパーだからね
甘い恋 VS 生活
先々週、母の知人が受診に来て、わたしを手招きして呼びつけて、「紹介したい人がいる」と耳打ちした。聞けば、37歳、銀行勤務、国立大卒、180センチ以上で次男の独身男性と。いまどき3高じゃないっすか!(対するわたしは3低ですが大丈夫ですか……)ということはめちゃくちゃバッドルッキングガイってことっすか!?どれほどの??と思いながら、今日お会いしてきた。
ちょっとおじさんだな〜と思ったけど、別にバッドルッキングではなかった。おしゃべりもふつう。履いてたくたびれたカッコ悪いスニーカーを見て、独身の理由は察した。多趣味な人で、いまはパン作りに凝っているという。いちごやりんごやぶどうから天然酵母を作るそう。他にゴルフ、テニス、バイク、カレー作り等の趣味があり、甘い物が大好きで、下戸だと。連絡先は私から聞いて、またお会いしましょうと私からラインした。好きなものの話題でエビが好きだと言ったのを覚えていて、ぜひまた食事にでも行きましょう、エビのおいしいお店があればいいんですが、調べておきますね、と返事がきた。
ぜ〜んぜんときめかないな、でも、いいかな。お誘いくるかな、来なかったらショックだな。うまくいくってわかってた、タロットでもそう出てた。だけど、恋ってもっとこう、ぎゅっとするような、甘くて苦しくて、逃れられないような、そういうあれじゃなかったか。はやく言いたい、大きい声で、一斉送信で、幸せですって、聞かせたい人がたくさんいる。不純な動機かな?でも、それでも、それもいいのかな。
うーーーーーん、
難しくてわからない。はやくどうにかしてほしい。