哲学の人が4月から転勤になって、それで、この人私のこと好きだろうなとずっと思っていたけれど、ついにまあそういうことになり、がんばってラブに取り組んでいる。

キスをするのが好きらしい彼の夕方の髭で私のかわいいあごがすりおろされ、痛いなあと思いながら止められずにいたら次の次の日にかさぶたみたいになってしまって、こんな事あるのか!?と驚いてヤフー知恵袋で検索すると、同じ悩みを持つ女が「こんなことあるのでしょうか」と投稿していて、あるんだ……と知った。治った頃に会ったのでひどい状態を見せられなかったのが本当に残念。三半規管と肌が弱いこと、わかってもらわねば。

哲学の人は8つ年上で、わたしのことを瞳の中心にとらえていることが隠せないような不器用な男。彼はわたしのことをジュリエットで美人画の浴衣の女で光で春そのもので美しい名前のカクテルで、とにかくなんだか上等なものだと思っているようなので、わたしは可愛げを隠さずに思う存分発揮する。彼に比べるとわたしはリアリストで、彼はロミオじゃなくて冴えないおじさんだけど、そんな人がわたしのためにちょっとかっこつけてくれるのはそれはそれで嬉しく、まあなんだかんだとうまくやっている。

転勤についても知った上でお付き合いすることになったので、飲み込むしかなかったしまあいいかと思っていたのに、いざ近付いてきたら、離れたくないな…と思って夜ふいに泣いたりするくらいには盛り上がっている。

まあそういうことで、春…って感じです。