でも、あんたに会って、私はわかった。どこからともなく、いい匂い、慕わしい匂いが流れてくる、おや、これは何だろうと気付いて、あたりを見廻してみたら、それは私を愛してくれる心が放つ匂いだったということ。
田辺聖子「不機嫌な恋人」
いまこれ
最近気の合う友達2人とかなり打ち解けて心の交流をしている。2人とも仕事終わりに、会社員じゃない家族じゃない友達じゃない自分になるために、一人になる時間が絶対に必要で、寄り道したり車で寝たりしてから帰ると言っていて、私は速攻家に帰って家で死とか無とかをやっているんだけど、そういうもんかな〜と思って、この前真似して仕事帰りに海沿いの公園に寄って海を見ながらアイスを食べた。海穏やか、晴れていて、日がまだ沈む前で、風はひんやりとしていて、アイスも食べるのにちょうどいい柔らかさで、足元は砂。すごくよかった。一人の時間は大切だけど、普段、外で一人で過ごすのすこし苦手かもしれない。外だと所在がなくて心細くなりなんとなく緊張して、そそくさと立ち去ってしまいたくなる。どこにでも行くし一人でごはんも食べるけど、でも本当は安心できないって思ってるんだなってわかった。うまくぼーっとできなくて、2人に「寄り道してるよ」とすぐ報告した。
今年のゴールデンウイークは5連休。バーベキュー場で燻製をつくったりして遊んで過ごした。ベタだけどたまごとチーズがおいしかったな。あと枝豆。
アウトドアは楽しいけどめちゃくちゃ疲れる。久々にたくさん日に当たって身体が驚いて、それ以降の休みは全部マジの「休み」になってしまった。
本当の気持ちを隠さなくていいって最近よく思う。年をとって図々しくなってきたし、散々世界に優しくした分、自分にも優しくしたっていいだろうと思う。私のわがままとも言えないような小さな自由を、許してあげられるのはわたしだけ。遠慮しなくたっていいよ、嫌われたっていいよ、私がわたしを好きでいるからね…って、恥ずかしいけど、自分を励ましながら日々をやっています。
