水面

きのう、自分の心の中の決まりを破って、自分から係長に連絡をした。
休みなのに一瞬仕事に来た。昨日顔を合わせなければ、一週間くらい会わない予定だった。嬉しかったので、嬉しかったことを伝えたくて、「そこに一つの席が」の女になったつもりで、休憩室から 忙しいですね とラインを送った。自分から思わせぶりなことを言っておいて、癒やしてもらわんとな と迫られると及び腰になる。いつもの後悔がチリチリ。答えに困りながらも、はい と言う。


きょう、汗だくで倉庫へ向かったら、休みのはずの係長がたまたま来ていた。なんか気まずそうな顔をしていた。わたしも気まずいわ と思ったら、車には小学生の娘さんが乗っていた。
逆光のシルエット 直視できない。用事のふりで会話の輪に入らず、少し離れる。
ほら、みんなに挨拶して。やだ。やだってさ。(笑) じゃ。って言って、まともに顔も見ない間にすぐに帰って行った。
涙でる。わたし、娘さんに嫉妬している。どうやって気を引いても、わたしは係長の特別になれない。わかっていたけどわかってなかった。きょうはじめてよくわかった。夏休みのお父さんと娘 あたりまえに健全な光景。係長の毎日は、この子たちが作ってる。そりゃ、わたしに連絡なんか寄越してこないよ。当然だよ。彼はいま、満たされているんだ。
もうだめだ………
泣きたいけど人の目があって泣けない。仕事の続きをしながら鼻をすする。泣けよ!本当に悲しかったら。なんで泣けないんだよ。
嫌な気分で仕事を終えて、コンビニでロールケーキを買って帰る。無言で食べる。コンビニのおばちゃんや母など、優しい人の優しいはずの言葉が耳に入ってこない。
なんとなく待っているフォローの連絡もなし。そうだよね、フォローすべきことなんて起こっていないもの。

きょうわかったこと 圧倒的に間違っているということ。
あと、思ったより本気で好きだっていうこと。係長においては、わたしのことは一時の気の迷いだということ。
ねえ、間違ってても だめかな だめに決まってるけど、わたしの気持ちはどうしたらいいんだろう。


扇風機、ごうごういってるわりに全然風が当たらない。そっぽ向かれちゃった。